
「ならわいから」
2022年からはじまったならわい。2年間で18人が参加し、これまでに3人が移住しています。 参加者のその後を訪ねることで、奈良からはたらくを考えるコラム「ならわいから」。
VOL.1/ほそださん
第1回目は、ほそださん。
平日の夜、仕事終わりにインタビューをしました。お酒を飲みながら、気ままに疑問をぶつけてみます。

埼玉県出身、埼玉県在住。社会人4年目で官公庁向けの営業を担当。ならわい2023に錦光園チームとして参加。
関わったプロジェクトは?
ほそださんは、ならわい2023に錦光園チームとして、参加しましたね。どんな活動をしたのですか?
受入先企業である錦光園さんは、奈良の伝統工芸である墨をつくっています。
テーマは「書くだけじゃない。見て、香って、気持ち整える。『伝える墨屋』と伝統工芸の需要をうむ」。
チームメンバーは、おかみ、かなさんの3人です。錦光園7代目の長野 睦さんとともに、新たな墨の使い道と伝え方を提案しました。
今、どんな感じですか?
2023年11月にならわいが終わって5ヶ月が経ちますね。今、どんな感じですか?
カプセルトイ、そしてオリジナル墨販売の2つが動いてます
今は、2つのプロジェクトが動いています。メンバーのかなさんを中心に進んでいる「カプセルトイ」。夏頃までに、長野さん主催のワークショップでイベントツールとして、カプセルトイを展開する予定しています。
そして、メンバーのおかみを中心に取り組む「オリジナル墨販売」。ならわい終了後、錦光園さんに依頼したオリジナルの墨が間もなく納品されます。こちらは、これから販売戦略をみんなで練っていこうと考えています。
参加の理由は?
どうして、ならわいに参加したの?将来の選択肢にも、今の仕事を長く続ける、副業する、複業する、転職する、起業する。色々ありますね。
地方面白そう。仲間と集まって好きなことをやってみたかった
会社では地方自治体向けの営業をしてます。そのなかで、ばくぜんと地方に面白さを感じていて。手を加えたら面白いことできるんじゃない?仲間と集まって好きなことをやってみたかったんです。
それでならわいに参加したら「気づいたら考えてる」「無意識に体が動いてる」みたいなことが度々あって。熱量持って動けてる自分を見て思いました、これが自分にとっての幸せな仕事かも。
参加費はどう考えた?
参加費がかかることについては、どう考えたの?
お金以上の関係性が得られる
2万円の参加費は正直そんなに高い印象はなかったし、参加者の本気度をはかるという意味ではよかったとおもう。
それ以上に、関係性。自分たちが形にしたい想いが企業さんに直接伝わって膨らんでいくスピードが最速。それに、新しいコミュニティでの関係も得られる。気持ちが重なる人たちとオフラインでつながれたのは大きかったです。
チームで動くことは?
ならわいは、3人1組のチームで動くプロジェクトです。初対面の人たちと組むことはどう考えましたか?
熱量の近い人たちとの取組みは面白い
参加後に感じたことですが、熱量の近い人たちと一緒に取り組めるのは面白かったです。
それから、3人1組のチームで動くならわいだからできたことも。企画をゼロからつくりあげるだけでも僕はもうヘロヘロでした。どう企業さんに魅力的に伝えていくのか。メンバーのかなさんとおかみがいてくれたから、できたことです。
奈良の位置づけは?
ならわいは、地縁以上に想いの縁を大切にしているプロジェクト。奈良好きも、出身者も、やりたいことがあって「結果奈良だった」人にも合います。埼玉出身のほそださんは、奈良にどんな縁が?まちをどう位置付けましたか?
奈良ぜんぜん関係なくて僕は
修学旅行で奈良に行きました。縁といえばそれぐらいなんです(笑) 奈良ぜんぜん関係なくて僕は。
「外部の人間が行くことで、地域にいいエッセンスが入るんじゃない」というわくわくもあって参加しました。
でも、いそがしくない?
「ならわいに興味はあるけど日々の仕事だけでもバタバタだよ」という人もいるとおもうんです。時間についてはどう考えました?
平日の昼休みもワクワクする自分がいた
平日の昼休みに、ならわいのプレゼン資料を見ながら「ここどう伝えよう?」とか考えてワクワクする自分がいたんです。チームのオンラインミーティングも楽しかったし、メンターの田島さんがいてくれることも大きかった。
ならわいは高純度。「いいものをどうつくろう」と考える純度が高いプロジェクト。参加したことで、会社の仕事での伸びしろも見えました。いいものをつくっていくにはどうしたらいいんだろう、日々のコミュニケーションをあきらめていないかな、と初心を思い出せたんです。
行動した気づきは?
組織で働いてると、かならずしも「やってみたいこと」と「任されること」って一致しません。プロジェクトに企画段階から関わりたくても、目の前の仕事は経理職だったり。ならわいは、気軽に試せる場でもあるのかな。
自分やコミュニティに出会うと可能性が広がる
考えこまないでやってみる。一歩踏み出してみると、新しいコミュニティとも、自分の考えとも出会えて、可能性が広がりました。
同時に「やりたいこと」を「任されること」にするため「足りないこと」も見えてきました。アイデア力、資料のつくりかた、伝わる話し方……これから身につけていきたいことが、たくさん見えました。
転職?起業?
ならわいに参加したことで、将来像は変わりましたか?
それも一つの手段で伴走したい
日本各地に伝統産業があります。100年先も200年先も続くため、伴走型の支援をしていきたいとおもうようになりました。
その手段の一つとして、起業は頭にあります。ボランティアではない業としての取り組みが大切だとおもうからです。それを実践するきっかけになったのがならわいでした。
(2024/4/15 インタビュー 大越はじめ 写真 中部里保)