活動記録

第2回目 バンビシャス奈良

プロジェクト

プロスポーツ、どう経営する?バンビシャス奈良・加藤社長と「ロートアリーナ奈良の全試合観客満席」を設計する

10/6のスケジュール

10:00-前回のふりかえり
10:10-ゲストトーク:梅守志歩(ume,yamazoe)
11:10-チームごとのワーク
12:40-チームごとの発表
13:00 解散

オンライン開催となる第2回目は、チームごとの「前回のふりかえり」からはじまります。

続いてゲストトーク。山添村で宿泊業を営むume,yamazoeの梅守 志歩さんに話をうかがいました。

1988年生まれの梅守志歩さん。就職を経て2013年に家業である㈱梅守本店へ。手まり寿司の製造を行う梅守本店は、寿司握り体験事業などお寿司に関連する事業を展開しています。志歩さんは、2019年に新規事業として宿泊事業を立ち上げ。山添村で「ume,yamazoe」を運営しています。

「お寿司とはまったく違う事業をはじめたんです」と話します。宿泊業を選んだのは、たまたまだったそう。きっかけは、山添村との出会い。自然という時間軸を暮らしに取り入れたいと考えた26歳。「仕事をつくったらいいんだ」と考えたとき、たまたま出会った空き家、たまたま募集していた農水省の補助金が後押しした。ところがふたを開けてみると、8ヶ月で終わる予定の工事に、2年以上を要することに。理由は、集落に暮らす人たちの同意を得るまでに時間がかかったから。「この事業をなんのためにするんだろう?」と考えるなかで、会社のミッションに立ち返りました。

これまでと業態が大きく変わることについて、梅守本店代表の父・梅守康之さん。「ミッションを大切にしていたらどんな事業を展開しても大丈夫や」。

最後にならわいの参加者へ向けてアドバイスです。

「ミッションを大切にしてほしいです。ならわいのプロジェクトをなんのためにやっていますか?」

チームごとのワーク

ここからは、チームごとのワーク。メンターをまじえて、プロジェクトを進めていきます。

「奈良県のファミリー層を中心に平均動員数を1,000名増やす」ことをプロジェクト目標に設定したバンビシャス奈良チーム。

しかし、メンターの田島さんから問いかけがありました。

「チームの検討方向性について、あらためて発散してみませんか?」

脳みそを、入れ替えなきゃ

「今、ぶっちゃけ『仕事感』が強くないですか??ならわいという場を生かして、みなさんが仕事ではできないことへチャレンジしたり、ワクワク感を大事にしてほしい。そう思って、あえての発言です」

田島さんからの問いかけは「ならわいのプロジェクトをなんのためにやっていますか?」という梅守さんのアドバイスとも重なります。

参加者のふじたさん。

「やっぱり初心に立ち返らなきゃいけないな、と思いました。そもそもなんのために提案するんだっけってとこを握っておかないと。奈良の人たちが誇れるようなチームをつくっていきたいな。職業柄、集客のアクションはバババババッと思いつくし、12月までのタスクにも落とし込める。でもおもしろくない。ふだんの仕事のやり方で進めていたけれど、初心に戻りたい。…わたし、好きで絵を描いてて。そういうのを今求められている。脳みそを一回入れ替えたいです」

ここは一位になる

ここで、奈良市の柏木課長。

「今日の梅守さんの話をふまえると…バンビシャス奈良のビジョンは、バスケを盛り上げること以上に奈良を盛り上げることなのかもしれませんね。その上で、地域に寄与するチームにしていくということ」

奈良市の移住・産業施策を考えるなかで、工夫した点があると言います。

「どうしたら、奈良市が選ばれるまちになるのか。移住をサポートする補助金の多寡(多い少ない)で競うものではないと考えました。データを調べていくと、関西2府4県で年少人口がもっとも多く転入していることがわかりました。『ここは一位になる』という点をつくるんです」「バンビシャス奈良にも、リーグ順位以外の一位があるかもしれません。それは、スポーツに限らない入口かもしれません」

参加者のかわかみさん。

「礼儀正しさNo.1とか、チアリーディングNo.1とか。いろいろ考えられそう!」

参加者のふじたさん。

「先週福島や新潟に行く機会がありました。そのなかで、“地方”にもグラデーションがあることを感じました。奈良という土地のよいところとバンビシャス奈良のよいところがしっかりリンクすると、バンビシャス奈良が奈良の社会資本になっていく。まったく新しいスポーツ像が見えてきそうです」

発表

わかったこと

Bリーグの他チームについて、SNSの活用方法をリサーチしました。するとB2、B3所属チームについては大同小異だということがわかりました。また、他のスポーツチームの事例についても共有しました。
それから…梅守さんの話を聞いて「脳みそを入れ替えなきゃ」と思ったんです。

これから

加藤社長の「バンビシャス奈良を奈良の財産にしたい」という思いをもう一度考えたいです。
その上で、外部の我々がどうしたら斬新なアイデアを出せるのかを考えたい。ならわいの期間中に限らない提案を行いたいです。

参加者からの質問

Q.方向性を見直したんですか?
前回は、顧客のデータを分析したうえで、効果的な販売施策を行う「データベースマーケティング」を進める印象でした。

A.ゲストの梅守さんの話を聞いたことで軌道修正をしたんです。誇りあるチームにするというベースを共有しました。

参加者やメンターからの質問

安田さん
気になったことが2つあります。加藤社長のいう「奈良の財産」ってどういうことなんでしょうね?そして、奈良とスポーツの関係性についてです。ぼくもずっとスポーツをしてきたんですが、奈良に移住したときは「プロスポーツチームがあるんだ?」と驚きました。…というのも、スポーツを「男性的でエネルギッシュな」イメージとしてとらえたとき、奈良とスポーツがうまくつながらない気がして。

佐藤さん
どうやって奈良とスポーツをつなげる?そこが重なるとスルッといきそうだね。

安田さん
サッカーチーム「リバプールFC」の本拠地であるイングランド・リバプールは、産業革命とともに発達した港湾都市。フラストレーションを抱える港湾労働者たちの自己表現の場として、サッカーが根付いているんですよね。男性的でエネルギッシュ。それが20世紀モデルのスポーツだとすると、21世紀モデルのスポーツは、女性が中心に位置するのかもしれない。
ここで、チームメンバーのふじたさん。社会全体が女性的になってきている印象があるんです。新しいスポーツ像を、奈良から提示できるかもしれない。そんな気がしています。

ここで、チームメンバーのふじたさん。
社会全体が女性的になってきている印象があるんです。新しいスポーツ像を、奈良から提示できるかもしれない。そんな気がしています。

この日の午後、チームのSlackに一枚の写真が送られてきました。

バンビシャス奈良の試合観戦に向かったメンバーのふじたさんからの写真です。会場の様子の実況中継に、チームも盛り上がりました。次回が楽しみです!

第3回目は11/4です。

(編集 大越はじめ アシスタント 奥田しゅんじ 撮影 中部里保)