奈良クラブ

TOP テーマ “通いたくなるスタジアム体験”って?「奈良クラブ」を地域により愛されるサッカーチームに。

“通いたくなるスタジアム体験”って?「奈良クラブ」を地域により愛されるサッカーチームに。

「ならわい2026」の参加企業の一つが、プロサッカークラブである奈良クラブを運営する株式会社奈良クラブ(以下、奈良クラブ)。

「ならわい」では、スタジアムの平均入場者数を3,000人に増やすという明確なテーマが設定されました。

「奈良クラブ」ってどういう企業?

奈良クラブは、ホームスタジアムの「ロートフィールド奈良」や事務所は奈良市に、練習場やトレーニング施設を併設した「ナラディーア」は生駒郡三郷町にあります。

1991年に前身のクラブが創設され、2008年に奈良クラブという名称になりました。カタカナを使った造語のサッカークラブ名が多いなかで、奈良クラブというシンプルな名称にしたのは、「チーム名が略されても『奈良』という言葉で呼ばれるように」という強い奈良愛が理由でした。

クラブカラーは青と赤。奈良にかかる枕詞で、奈良の美しさを表現する言葉「あをによし(青丹よし)」が由来です。そうした奈良愛は現在までも引き継がれ、地域に根ざしたスポーツクラブを目指しています。よって、サポーターのなかには「奈良が好きだから応援している」という人もいるといいます。

関西リーグやJFL(日本フットボールリーグ)を経て、2022年に初めてJ3リーグへ昇格しました。創設から30年以上をかけ、悲願のJリーグ入りを果たしたのです。現在、DFの鈴木大誠選手、MFの田村亮介選手といった奈良県出身の選手もいます。

スクール事業も行っていて、チアダンスチームやボールボーイは奈良クラブのユース、ジュニアユースなどのアカデミー選手たちや地域の子どもたちが担当しています。会員制のファンコミュニティは「ファンクラブ」「アンバサダー」「エヴァンジェリスト」の3つがあり、さらにグッズ販売やチケット券面チェックなどを行う公認ボランティアチーム「volundeer」もいます。選手やスタッフだけでなく、奈良クラブを支えるみんながJ2リーグ昇格に向けて一丸となっています。

奈良クラブの特徴の一つが、ホームゲームの賑わいです。「ロートフィールド奈良」内で多数の出店や催しなどがあり、キックオフの4時間ほど前から多くの人が訪れ、お祭りのようになります。

2026年、近鉄奈良駅から徒歩約3分のところにある事務所の1階に、常設オフィシャルストア「NARA CLUB OFFICIAL MERCHANDISE STORE(ナラクラブオフィシャル・マーチャンダイズストア)」をオープン。同年5月にはクラウドファンディング「奈良の誇り・未来を運ぶチームバス」プロジェクトを実施し、目標額を達成しています。

遠征試合の際に使う、3列シートの新しいチームバス。

サッカービジネスのベテラン。社長が「ならわい」を担当!

「ならわい」を担当するのは、代表取締役社長の濵田満(はまだ・みつる)さん。濵田さんは奈良市出身です。小・中学校も高校も奈良市内の学校に通い、ほとんど他の遊びをすることなくサッカーに打ち込んでいたといいます。

関西外国語大学スペイン語学科を卒業し、商社や日本大使館などの勤務を経て、欧州サッカークラブのマーチャンダイジングライセンスビジネスに携わりました。久保建英選手のサポートに関わるなど、世界基準の選手育成やサポートを熟知しています。現在も、FCバルセロナ関連事業などを手掛ける株式会社Amazing Sports Lab Japanの代表取締役社長を務めています。

27歳頃まで奈良に住んでいたという濵田さん。
その後はグローバルに活躍。英語、スペイン語、イタリア語の三か国語を話せるそうです!

奈良クラブのことも長きに渡りサポートしていましたが、2020年に奈良クラブの代表取締役社長に就任しました。さまざまなサッカービジネスをしている濵田さんにとって、奈良クラブの社長業は「すべての価値観を集結した終着点であり、世界に向けた出発点」だと話します。

選手育成では、スペインのメソッドをベースにしたポジショナルサッカーを採用し、トップチームからアカデミーまで一貫した強化体制を構築。経営では、企画のテーマと予算といった大枠のみを決めて詳細な実行方法は現場に任せるなど、自由度の高いスタイルをとっています。

自ら執筆しているnoteで、奈良クラブへの熱い思いを感じ取ることができます。特に、「ナラディーア」をつくる覚悟を綴った記事「なぜ自前で7.4億もするサッカーグラウンドを作ろうと決断したのか。」では、「クラブの拠点を作るために人生を懸けることに全くのためらいはありませんでした」と綴っています。

選手とサポーター、一丸となってJ2リーグを目指しています。(写真提供:奈良クラブ)©NARACLUB

「ならわい2026」で取り組むテーマは?

濵田さんに、「ならわい2026」のテーマについて聞きました。

「ちょうど今、中長期計画的に集客のフェーズに入っているんです。ハード整備が概ね完了し、スタッフも増員できたので、これまで全振りできなかった集客施策に注力したいなと。そこで『ならわい』のテーマは、『スタジアムの平均入場者数を3,000人に増やすこと』と設定させていただきました。現在は2,200人なので、あと約800人増やす戦略を立て、1年かけて行う必要があります」

これまでは、集客に尽力する段階ではないと考え、口コミを重視したアプローチをしていました。例えば、濵田さん自身が県民と話した後、その人がポジティブな発言をしてくれれば、奈良クラブの情報が広がりやすくなります。奈良県内での講演活動のほか、ホームゲームの際にはサポーターと直接話すことも少なくないそうです。

現在の入場者は40〜50代が多い状況で、どうすれば幅広い年齢層が訪れるようになるのか、そして足を運び続けてくれるのかを考える必要があります。

「奈良クラブを応援することに誇りをもってくださる人がもっと増えたら、と考えています。つまり、チームの『愛され方』について、『ならわい』で一緒に考えることができればと」

予算は、企画次第でJリーグに助成金を申請することも可能です。特にサステナビリティ系の企画に最近力を入れていて、助成金を受け取れる可能性があります。

「ならわい」はできる限り濵田さんが対応予定ですが、業務執行役員の堀口龍佑さんや、他のスタッフの方が対応する場合もあります。また、「ならわい」第1回は遠征試合があるため、濵田さんたちはオンライン参加となります。

写真右が堀口さん。スペインのチームでプレイした経歴をもち、コーチ経験も豊富!

テーマの背景には何がある?

現在、平均入場者数の増減は、相手チームのサポーター数によっている状況です。徳島や新潟など、アウェイでもサポーターが多いチームと対戦する際は入場者数も増えているのです。ホームゲームであっても、観戦席が奈良クラブのカラーに染まっていないという現状があります。

スタジアムに3回足を運んだ人はリピーターになりやすいため、具体的には「0→1」をどうつくるか、「1→3」をどうつくっていくかが課題となっています。

現状の「ロートフィールド奈良」では、3,000〜4,000人の集客が最適だと濵田さんは考えています。収容力や動線、駐車場などの制約により、5,000人超は運営負荷が高いと予想しています。

多方面の方々にハッピーになっていただく仕事

最後に、「ならわい2026」への参加を検討している方へのメッセージをいただきました。

「FCバルセロナが1889年の創設で、127年の歴史があることを思えば、奈良クラブの歴史は浅く、大きな伸びしろがあると考えています。サッカークラブの仕事は、自治体、スポンサー、サポーター、選手など、多方面の方々にハッピーになっていただくことを目指す仕事です。三方よしではなく、八方よしくらいの視点で俯瞰いただければと思います。

『ならわい』で、奈良クラブや、サッカーというスポーツを通じて奈良を盛り上げていくことに関心のある方にお会いできるのを楽しみにしています。状況を紐解きつつ、奈良の特性も理解いただいて、ご自分がもっていらっしゃるものと連動させていただけたらと思います。代理店に勤務していた方やデザインセンスのある方、プロデュースの経験者の方などがいらっしゃればうれしいです。ご参加、お待ちしています」

「ならわい」はできる限り濵田さんが対応予定ですが、業務執行役員の堀口龍佑さんや、他のスタッフの方が対応する場合もあります。また、「ならわい」第1回は遠征試合があるため、濵田さんたちはオンライン参加となります。

取材・執筆:小久保よしの 
撮影:都甲ユウタ

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