活動記録
プロジェクト
真空フライで食材のおいしさを引き出そう。2025年リリースの新規事業をゼロからともに考えていきます。
タイムテーブル
10:00-フィールドワーク 15:00-提案に向けたワーク 16:00-プレゼンテーション 17:00 解散 |
この日は、チームごとに企業の現場を訪問するフィールドワークを実施。
その後はBONCHIへ戻り、フィールドワークにより「わかったこと」をもとに、「これからのこと」をまとめていきます。
福角兄弟農園へ
リリオンテチームは、10時に近鉄榛原(はいばら)駅集合。
はじめに訪ねたのは、福角兄弟農園さん。クラフトチップスにも用いる予定の菊芋を栽培しています。
菊芋栽培のきっかけは、人との出会いにあるそう。
「糖尿病になった知人から、菊芋をつくってほしいと頼まれたんです」
菊芋という名前は、夏にキクに似た黄色い花を咲かせることに由来します。食用となるのは、地中にできる塊茎。イヌリンという成分を含み、血糖値急上昇の緩和が期待されるという。
イヌリンをより豊富に含む紫菊芋を育てる福角兄弟農園さん。迎えてくださった毅さんからは、菊芋づくりにかける信念を感じました。
「毎年12〜3月に収穫を行います。春から秋にかけては、菊芋パウダーを食べる人もいます。しかし、独特の風味があるので『食べにくい」と感じる人もいます」
飲食店勤務の経験もある毅さんは「お菓子にできたらいいのにな」と考えるようになった。
そこへリリオンテの栢森(かやもり)さんから菊芋のクラフトチップスを相談される。まさに「渡りに船」というタイミングで試作品づくりがはじまり、今に至る。
そんな福角兄弟農園とリリオンテは「取引先」という言葉では表せない「縁」でつながっているように感じました。
リリオンテへ
続いて来春稼働予定の加工場を訪ねます。
「栢森商店」と書かれた元米穀店。こちらは、栢森さんのお父さんの実家です。
建物に入ると、設計を手がけるSTUDIO_Cの安田さんも迎えてくれました。聞けば、栢森さんと高校野球のチームメイトだったそう。
図面を見ながら、改修計画を聞かせてもらいます。
「素材を真空フライする工程を、目で見て楽しんでもらえたらと思うんです。ゆくゆくは、訪れた人にクラフトチップスづくりの体験もしてほしい」
さらにその先にも風景が広がっていました。
「事業の立ち上げをいっしょにしているスタッフの山田さんがよく話すんです。『いつか、このチップスをつまみながらお酒を味わって、泊まれる場所もつくりたい』って」
宇陀では移住者やUターンする人が、ドーナッツ屋さんやおいしいケーキを味わえるお店をはじめています。ブルワリーや芸術の森も。歴史をひもとくと、宇陀は611年に宮廷行事の薬狩りをした土地。今も薬草園があり、大和当帰の栽培が地域ぐるみで行われています。
訪れた人に、そんな地域をまるごと宇陀を味わってほしい。
参加者からも、矢継ぎ早に質問が飛びます。
・クラフトチップスにチョコをコーティングして、付加価値をつけるのはどうですか? ・パッケージはどんな形がよいのでしょう?缶も考えられますか? ・スイカはチップスにできますか?原価的にはどうですか? ・住宅地ですが、音やにおいの心配はありませんか? |
ここで、菊芋のクラフトチップスを実食させてもらいます。
「…めちゃおいしい!」
言葉を失う参加者たち。菊芋をはじめて食べた人も、手が止まりません。噛めば噛むほど、素材のおいしさが溢れでてくる。畑で収穫した菊芋を丸かじりしているよう。
菊芋の香りもしっかり感じます。
栢森さん自身も、はじめて食べたときのことが忘れられないといいます。
クラフトチップスの味わいは、味覚の「おいしさ」だけではないのかもしれません。リリオンテのみならず、福角兄弟農園や、宇陀というまちの未来にも響くプロジェクトだと思いました。
最後に、天理市にあるなら歴史芸術文化村で、ショコネの販売現場を見学して、BONCHIへ帰ります。
発表
ショコネをおやつにいただきながら、フィールドワークにより「わかったこと」をもとに、「これからのこと」をまとめていきます。
そして、最後に発表を行いました。
これからのこと
・販路について(しげもりさん担当) ショコネと同様お土産店に置いてもらうのか。あるいは直販を行う、宿泊施設やバー、料飲店などへの卸を行うのか。赤膚焼や吉野杉の箸などとのコラボも視野に入れつつ検討していきます。 ・素材について(まつもとさん・たかやしきさん担当) 加工に適した奈良産の食材探しを行います。 「大和芋(11月)、筒井レンコン(8-3月)、大和丸なす(4-9月)」といった大和野菜のほかに「いちご、いちじく、キウイ、梅」といった果物なども調査していきます。 |
参加者やメンターからの質問
Q.「ネーミング、素材選び、販路開拓」と多岐に渡る取り組みが「大変じゃないかな」と思いました。リリオンテからチームに注力してほしいことは聞いていますか? A.リリオンテとも話して、素材選びと販路開拓を中心に取り組んでいきたいです。 Q.奈良の特産品として販売する予定ですか? A.そうです。奈良らしさをいかに詰めこんでいくかが大切になりそうです。 Q.競合品は? A.見た目という点ではドライフルーツです。 Q.インバウンドについてはどう考えていますか? A.まずは日本人向けに展開していきたいです。 |
第2回目は10/6です。
(編集 大越はじめ 撮影 中部里保)