ならわい2022

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第1回目 啓林堂書店のフィールドワーク

プロジェクト

奈良県に書店5店舗と学習塾1校をかまえる啓林堂書店。 その3代目・林田幸一さんが新規事業の根幹に据えるのは「すべてのブックライフによりそう」というミッション。「売る」にとどまらない小売店のかたちを模索します。

10/16のスケジュール

10:00-チームごとのフィールドワーク

15:00-ふりかえりと発表

17:00 解散

この日は、チームごとに企業の現場を訪問するフィールドワークを実施。

その後はBONCHIへ戻り、フィールドワークにより「わかったこと」をもとに、「これからのこと」をまとめていきます。

啓林堂書店へ

啓林堂書店チームは、朝9時に集合。コーヒーミーティングからはじまりました。

この日は林田幸一さんとともに、奈良市内にある3店舗「啓林堂書店 学園前店」「啓林堂書店 奈良店」「ジュンク堂書店 奈良店」を訪問しました。

奈良店は、小西さくら通り商店街にあります。

近鉄奈良駅徒歩30秒という立地もあり、観光客も多く訪れる店舗です。

店内に入ると、週刊誌などに並んで関西のローカルグルメ雑誌「Meets」の奈良特集号が平積みされていました。

奈良公園の鹿をモデルにした写真集や仏像に関する書籍なども多く取り揃えており、旅のお土産を選ぶお客さんも多いそうです。

今後、林田さんは奈良店の2階スペースをより有効に活用したいと考えています。これまでは、児童書をメインに扱ってきました。

「近年、奈良市内でも小学校の統廃合が行われるなど、少子化の波が押し寄せています。」

経営環境の変化を受けて、林田さんは「学び事業部」を立ち上げ。空きスペースを活用したイベントや講座に力を入れつつあります。

2021年、2022年と続けて開催し、人気を博している企画が「ROKUMEI COFFEEに習う。スペシャルティコーヒーの持続可能性を学び、美味しく暮らしに取り入れる」。

お向かいにあるコーヒー店とコラボしたこちらの企画。

全3回で15,000円という価格設定ながら、奈良県内では橿原市、五條市から。また、滋賀県大津市や神戸市からも参加者が集まりました。

魅力ある企画を打ち出すことで、広く関西圏へのリーチが可能となりました。

本を売らない書店?

書店訪問を終えた参加者からは、次のようなアイデアが届けられます。

「おすすめの本を紹介する『本ソムリエ』がいてはどうなんだろう。」

「書籍の販売増につながるポップを増やしてみては?」

そこで、林田さん。

「今回、新規事業で取り組んでいきたいのは、本をより多く売ろうとする事業モデルではないと思うんです。」

どういうことでしょう。

「あまり知られていないことかもしれませんが、書店事業は小売業の中でも、利益率が低いんです。とはいえ、わたしたちには『まちの書店』としての大事な役割があります。そうした経営環境を踏まえ、次の事業展開を模索しているところです。2022年に、新大宮店を学習塾へと業態転換したことも、その一つといえます。」

「ならわいでは、既存の店舗にとらわれることなく事業モデルを検討したいんです。」

発表

わかったこと

学園前店は家族連れのお客さんが目立つ一方、奈良店は観光客の方も多く訪れます。このように、店舗ごとに客層も取り扱い書籍も変わってきます。

また、奈良店は2階スペースを活用しての講座にも力を入れています。

これからのこと

チームの特徴の一つは、林田さんも一参加者のように(笑)、横並びで考えていけることです。

林田さんは新規事業について、「探す、出会う、読む、保管する、手放す」と広くブックライフを考えています。

そこで私たちは、本好きという偏愛を活かして「読む」に焦点をあてた新規事業を考えます。

発表を受けて、メンターの安田さんから次のアドバイスがありました。

「読む」にしぼり、本好き目線でプロジェクトを進めるのはいいですね。「読む」を多面的に捉えることもできそうだと思います。たとえば「antilibrary(アンチライブラリー)」や「積読(つんどく)」は、読書をしなくても本が置いてあること自体に意味があるという考え方です。

林田さんから

ありがとうございます。極めてビジネス寄りのプロジェクトなので、大変さもあると思います。

でも、みなさんからもらう素直なリアクションや、話がありがたい。すごくいい時間を過ごさせてもらいました。引き続きよろしくお願いします!

第2回目は10/30です。

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