
プロジェクト
奈良県に書店5店舗と学習塾1校をかまえる啓林堂書店。
その3代目・林田幸一さんが新規事業の根幹に据えるのは「すべてのブックライフによりそう」というミッション。「売る」にとどまらない小売店のかたちを模索します。
12/10のスケジュール
14:00-チームごとにチェックイン
14:07-ゲストトーク:オダ ツトムさん(うのまち珈琲店)
15:00-チームで発表準備
15:20-チームごとの発表
16:20-チームごとの検討・ブラッシュアップ
17:00 解散
ならわいも残すところ、あと2回……!
第4回目は、新規事業案を、受入先企業のみなさんに向けて中間発表します。最終発表まで残すところ1月となった12/10。どんな新規事業の提案があるのでしょうか?
この日はゲストトークとして、うのまち珈琲店のオダ ツトムさんから広報・PRについて話をうかがいました。
日本各地に5店舗を構えるうのまち珈琲店。新規出店をする際に「うのまち珈琲店のアイデンティティ」を大切にしつつも、「地域へのローカライズ」を心がけていることがわかりました。
それはたとえば、西武渋谷店に通うお客さんがクレド岡山店を訪ねた時に「うのまち珈琲店の安心感」と「岡山独自の高揚感」をともに感じられるということ。
奈良県内で6店舗を営む啓林堂書店のヒントになりそうです。
発表
オンラインで、啓林堂書店の林田幸一さんが見守る中、発表がはじまります。
「啓林堂書店チームでは、30〜50代の読書好きの方にインタビューを行い、ブックライフサイクルにおいてどのようなニーズがあるのかを調べました。すると、本に『出会う』『感じる』『シェアする』ニーズが集まりました。」

「こうしたニーズを分類していくと……『意外性がある本と出会いたい』『本を通じて人とつながり、新しい視点を持ちたい』というインサイト(心理)が見えてきました。」
「そこから浮かんできたコンセプトが『お客さま参加型の書店づくり』です。わたしたちは、2段階で取り組んでいきます。」
第1段階 ユーザーが作成した店頭POPの掲示

「私たちの提案は、店頭POPをお客さんに書いてもらうというものです。これにより、啓林堂書店における書店員やお客さん同士のコミュニケーションの増加をめざします。」
「これまでも啓林堂書店は、『読書マラソン』をはじめとする地域に根ざした取り組みを行なってきました。そんな啓林堂書店だからこそ。奈良市内の小中学校との連携も図っていきたいと考えています。」
第2段階 会員アプリによる顧客データの収集

「店頭POPを軸としたユーザーとの関係性が育まれた段階で、アプリをリリースします。」
「アプリを通じて顧客データを把握することにより、ますますお客さんのニーズに寄り添う書店をめざします。また、啓林堂書店がブックライフサイクルを加速させていく上でも、顧客データは欠かすことのできないものです。」
受入先企業の声
さて、受入先企業の反応は? 啓林堂書店の林田幸一さんに話をうかがいました。

「啓林堂書店をお客さま参加型の店舗にしたい」という提案、とてもうれしいです。
都心部の大型書店と比べた時、啓林堂書店の特長は月に何度も来てくださるお客さまが多いこと。
啓林堂書店というリアルな空間を通じて、書店員とお客さま、あるいはお客さま同士がつながる。さらに、そのつながりを店頭POPだけでなく、データ上でも可視化というするアイデアをいただけてありがたいです。
会場からのフィードバック
会場からはさまざまなフィードバックがありました。
店頭POPという取り組み自体は、多くの書店で見られるもの。“ならわいらしさ”には欠ける印象を受けました。
「地域に根ざした書店」という特長を活かして、お客さん同士が対面でつながるイベント企画も考えられるのではないでしょうか?もうひとふんばり、期待しています!
店頭POPを書く人と読む人の双方向性が生まれると、なおいいですね!
学校との連携は興味深いです。読書感想文を廃止する学校もある中で、「本と子ども」の関係性をつむぎ直す企画になれば!
「店頭POPをどのように店舗で実施するのか」「誰が運営していくのか」など、林田さんと話し合うことが見えてきました。
次回は1/14の最終発表。あと1月、全力で走り抜けましょう!