ならわい2022

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受入先企業に聞いた「ならわい」

(写真左から TOMOSU 中島章さん/啓林堂書店 林田幸一さん/清澄の里 粟 三浦雅之さん・陽子さん/岡井麻布商店 岡井大祐さん)

ならわいは、受入先企業にどのような変化をもたらしたのでしょうか。TOMOSUの中島が、3社にインタビューをします。

ならわいの第一印象

中島さん:「受入先企業として参加いただけませんか?」と、相談を受けたときは、どんなふうに思いましたか。

林田さん:タイミングが良かったんです。ちょうど、「いろいろな分野の方と、啓林堂書店の今後を考えたいな」と思っていたので、渡りに船という感じでした。

同時に「どんな人が参加するんだろう?」という期待半分・不安半分の気持ちもありましたね。

どんなプロジェクトも、結局は一緒にやる人次第。

ならわいは公募型ということもあり、移住に向けて気持ちを固めている人から「とりあえず応募してみよう」という人まで、色々なモチベーションの人が集まるんだろうな、と。

中島さん:ほんとうに人次第ですよね。

日本各地で「ローカル×仕事」のプロジェクトが展開されている中でも、より確度の高い人に関わっていただきたいと思いました。そこで参加費を有料にするなど、ややハードルが高いプロジェクトとしてならわいを設計しました。

三浦陽子さん:参加者のみなさんがほんとうに素敵でした。

いつか取り組みたいと思っていたこんにゃくの商品化。みなさんと一緒に考えたおかげで発想が広がりました。

三浦雅之さん:「真剣なプロジェクト」だと思いました。

最初に中島さんと奈良市役所の柏木さんが見えた時、お二人とも真剣にならわいに取り組まれているんだな、と思いました。

それで私たちも「ならわいをご一緒したい」と思いました。

中島さん:柏木さんは、奈良市長にならわいの企画提案を行った本人です。

そして、奈良育ちのぼくにとっても、念願のプロジェクトでした。

ぼくが奈良へ帰るきっかけは、2015年に奈良市が主催した「好きなまちで仕事を創るin奈良」でした。

原体験となったプロジェクトを、参加者としての経験も踏まえて、よりよくアップデートしたかったんです。

岡井さん:そうやったんですね。ぼくは詳細がよくわからないまま、参加表明をしました(笑)。でも、不安はありませんでした。日々のBONCHIの活動を見ていたので「中島さんがやるなら、ぼくも一緒にやります」と、お返事しました。

中島さん:初めての取り組みに参加いただいてありがとうございます。

参加してよかったこと

岡井さん:視点が勉強になりましたね。

中島さん:視点ですか?

岡井さん:20年近く、麻をなりわいにしていると、“麻はどこまでいっても麻”。1つの素材としてしか捉えられなくなっていました。けれども、参加者一人ひとりの専門的な視点が、医療、美容、食文化といったさまざまな方向から麻を照らしてくれるおかげで、麻が“2”にも“3”にもなりました。

それから……人と仕事をする上で「足並みが揃うかどうか」って大事だと思っていて。

岡井麻布商店で新しいものが生まれる時って、お酒を飲みながら、雑談しながらが多いんですよ。

ならわいでも、チームのみんなと「麻の靴下ってできるのかな?」「できへんのちゃう?」「一度やってみたら?」と良い足並みで、新規事業づくりに取り組めてよかったです。

三浦さん:ロゴ、商品名、リーフレット。成果物がすべてよかったです。粟チームはみなさんの人柄も役割分担もすばらしくて。もう、最高です。

中島さん:今回は18人の方に応募をいただきました。参加者のみなさんの希望を第一に考えつつ、一人ひとりの特長もふまえて、どのチームに参加いただくかを決めていきました。

林田さん:ならわいが終了してからも「こんなことやってみたくて」「面白いね」と話せる仲間に出会えてよかったです。個人的には、プロジェクトのテーマを広めに設定したことが良かったと思います。ゼロから形にしていくプロセスを一緒に体感することが、仲間づくりにつながりました。

中島さん:今後もならわいにいい人が関わり続けてくれるよう、事務局もがんばります。

改善したいこと

林田さん:ぼくは今回、ほぼ参加メンバーのような立ち位置で関わらせてもらいました。その視点でいうと……チームでの初期のコミュニケーションがとても重要だと思いました。

中島さん:初期のコミュニケーション。

林田さん:もっと飲む機会を増やしましょう、みたいなことではなくて。一人ひとりにどんな強みがあって、誰がどういう役割をになうとチームとしてうまく機能するのか。来年は、いっそうチームビルディングに力を注げるとよいのでは?

中島さん:なるほどー。ちなみに、ならわいが業務の負担にはなりませんでしたか?

林田さん:それは全然なかったです。「一緒に参加させていただいて」という感じだったのもあって。

チームメンバーが奈良出身ということもあり、年末年始の帰省時には飲みに行けたりと、楽しかったです。

三浦さん:運営に関して、改善点はありません。ただ自分たちに関していうと……

チームのみなさんが、もっと奈良の魅力に触れる機会をつくれたらよかったです。ならわいには、交流人口の密度を高めていくという目的もあると思いますので。

中島さん:今回はオンライン開催が3回、奈良開催が2回でした。プログラムとは別で奈良に来てくれる人もいましたが、もうすこし交流できる場をつくれたらよいのかも。考えてみます!

岡井さん:参加者と一緒に話し合ったり、考えたり。こまめにやりとりを重ねるなかで、「受入先企業よりも協働企業かな」と思うようになりました。

中島さん:協働企業?

岡井さん:参加者が一方的に企画して、それを企業がただ審査するんじゃなくて。参加者と企業が、いっしょに新規事業を考えていく印象。それが楽しかったんですよ。

中島さん:なるほど!そうやって、企業や参加者のみなさんの声も聞きながら、ならわいを育てていきたいです。

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