ならわい2023

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第1回目 はじまりのワーク

ならわいプログラム第1回目@奈良市

奈良で働き・暮らすという選択肢を増やすため、奈良市役所は、2012年から創業支援事業に取り組んでいます。

10年目を迎えた2022年。創業支援事業の新たな取り組みとして、「移住×起業」を提案するプログラム「ならわい」がはじまりました。

ならわいは、県外在住の参加者と奈良の企業がともに、新規事業(なりわい)づくりに取り組むプロジェクトです。

第2回目となる「ならわい2023」。

初日のプログラムが、8月19日から20日にかけて行われました。

会場は、近鉄奈良駅から徒歩5分。もちいどのセンター街にある奈良市の創業支援拠点「BONCHI」です。

4階のコワーキングスペース「TEN」では、運営事務局である一般社団法人TOMOSUや、主催する奈良市役所のみなさんが、参加者を迎えます。

その一人が、カジュアルなスーツ姿で登場した産業政策課の柏木さん。

腰かけて、参加者たちと話しこんでいます。

お互いに、「この日が待ち遠しくて仕方がなかった」といった様子のみなさん。オンライン合同説明会や面談で顔を合わせていたこともあり、会場のあちこちで自然と笑い声が生まれていきます。

8/19のタイムテーブル

14:00- はじまりのあいさつ
14:05- 企画趣旨説明
14:10- 自己紹介
14:30- チームビルディングのワークショップ
17:00- 休憩
17:10- 企業紹介
17:40- 企業とチームの顔合わせ
18:30- 懇親会
21:00  解散

はじまりの自己紹介

14時になると、あいさつをしたのはくみさん。

運営事務局として、今日に向けた準備を進めてきました。

まずは自己紹介から。

「わたしは、福岡県出身です。奈良市へ移住して4年目になりました。ならわいの運営には、奈良が好きになって移り住んだ人たちも数多く携わっています。」

続けて、ならわい2022のその後について。

「参加者は、今も企業さんとやりとりしつつ、プロジェクトを進めています。提案に終わることなく、実現に向けて動いています!」

3人一組のチームとなり、新規事業づくりに取り組んでいくならわい。

初日は、チームビルディングのワークを行います。

参加者は計9人。

日本各地から、働きかたも暮らしかたも様々な人が集まりました。

職業は、デザイン(フリーランス)、商業施設の管理運営、メーカーの技術職、メーカーの営業、不動産仲介業、教職員など

仲川げん奈良市長も見守るなか、参加者のみなさんが自己紹介をします。

「どうして奈良に来たのか」「ここで、どんな経験を得たいのか」。

自分の思いをことばにして、相手に伝えていくことが、ならわいの第一歩です。

「ならわいを通じて会社をつくりたいんです。」

「わたしは仏像が好きすぎて、毎年奈良を観光していました。これからの自分の人生の時間をどうつかっていこうかなと考えるなかで、『奈良に住みたい』と思って。その方法を見つけたくて参加しました。」

「事業化ってどのように進めるのか知りたいです。給与をもらうんじゃなくて、自分の給与を出す経験をしたい。」

チームビルディングのワークショップ

講師は、有限会社ならがよいの平田 幸一さん。

20年以上、人材育成に取り組むかたわらで、奈良でならまちシアター「青丹座」と無人&シェア型書店「ふうぜんかずら」を営んでいます。

平田さんは、「仕事をつくる場としての奈良」には、次の特徴があるといいます。

「奈良は新しいことをはじめると注目されやすいんです。くわえて、新しいことに抵抗が少ない土地柄なんですね。」

続けて平田さんは、今日のワークショップのテーマとなるアフリカのことわざを紹介しました。

「早く行きたいなら一人で、遠くへ行きたいなら、人と行け。」

「一人だと目的地に早く着くことはできますが、行ける距離の限界があります。仲間と行くと、みんなで話し合いながらペースを合わせる分、時間はかかります。けれど、一人では想像もできなかったところまでたどり着ける可能性がある、ということばです。」

自分の思考タイプを理解する

チームビルディングのワークは「自分の思考タイプを理解する」「チームをつくる」の2部構成。まずは、一人ひとりが自分を理解していきます。

参加者はワークを行い、自分をA、B、C、Dの4タイプに分類していきます。

「『突拍子もないアイデアを生み出せる人』、『それってつまりこういうことですよね、と壁打ちしてより深めるのが得意な人』、『ガントチャートを組み立ててスケジュール通りに進行管理していくのは得意な人』。一人ひとりには、考え方のパターンがあります。」

「自分のパターンを知った上でチームをつくると、それぞれの強みをより活かし、弱みを補い合い、、“遠くへ”行きやすくなります。」と平田さん。

チームをつくる

「やっぱり自分はこういうタイプなんだ。日頃からなんとなく感じていた自分の強みと弱みを理解できてよかったです。」

参加者からは、気づきの声が聞こえてきます。

自分のタイプを知った上で、チームのみんなとお互いに共有していきます。

ちなみに、3人一組の各チームは、次のようなタイプ分類となりました。

ペーパル錦光園GoodJob!
D、D、DC、D、DD、D、B

どうやら、ならわいにはD(起業家)タイプが多く集まった様子。「新規事業をつくりたい」という気持ちの表れでしょうか。

計画性に強いBタイプや、共感性に長けたCタイプも一人ずついました。

なかでも全員がD(起業家)タイプとなったのがペーパルチーム。

「それぞれみんな、ずーっとアイデア出しをしていそう。ちゃんと形にできるかなあ…?」という声も聞こえてきました。

でも、大丈夫。各チームにはバランサーとなるメンターがいます。

ペーパルチームのメンターを務めるのは、新規事業支援を行う株式会社フィラメントの佐藤啓一郎さん

この日も、チームに寄り添っていく場面が幾度となくありました。

奈良好きの輪に出会う懇親会

ワークを終えた後は、懇親会です。

テーブルの上にずらりと並んだのは、奈良産のフード。清酒発祥の地である奈良を代表する日本酒・クラフトビールや、特産品である柿の葉寿司が顔をそろえます。

懇親会には、うれしいサプライズもありました。ならわい2022の参加者たちがやってきたのです。この日のために、わざわざ東京や愛知から駆けつけた人も。

そのなかには、啓林堂書店チームの姿もありました。

啓林堂書店代表の林田幸一さんも出席。ならわいで取り組んだプロジェクトの進捗状況を、参加者の田中さんとともに話す場面も。

また、別チームの参加者からは「ならわい2022を経て奈良に移住したい気持ちが高まって。住まいを探しているんです。どこか知りませんか?」という声も。

それぞれが、プロジェクトを進めていました。

そんな懇親会の場で、あらためて一人ひとりに「どうして、ならわいに参加したのですか?」と話を聞きました。

「地元を出たことがなくて。違うまちでチャレンジをしてみたくなったんです。それが奈良でした。できたら、奈良に自分のルーツを生やしたい。地縁や血縁があるわけじゃないから、ここにいる理由につながる仕事の縁をつくっていきたいんです。」

「ずっと公務員として働いてきました。チャレンジしてみたい仕事はあるけれど、未経験だと採用枠がない。かといって、いきなりフリーランスにもなれない。

次の一歩を右足から出そうかな、左足から出そうかな、と考えているなかで、ならわいに参加しました。どちらの足から踏み出すにしても、奈良に着地できたらな。」

「会社員として、施設運営の仕事をしています。オールラウンダーとしてまんべんなく仕事をしてきたけれど、特筆できる能力があるわけじゃなくて……。

でも、自分がこんなふうに生きていきたいという思いは持っているんです。今住んでいる場所を離れてもよいのかもしれない。いや、やっぱり離れてみたいんです。」

それぞれの気持ちを、どうやって奈良でつなげていこう。フィールドに出て、新規事業を考えて、自分のこれからを見つけていく。

ならわいの4ヶ月間が、今日はじまりました。

明日は、朝からフィールドワークです。

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