ならわい2023

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第3回目 ペーパル

プロジェクト

廃棄食料から生まれたアップサイクルペーパー。取締役の矢田 和也さんと商品企画に取り組んでいきます。

9/23のスケジュール

10:00-前回のふりかえり
10:10-ゲストトーク:林田 幸一さん(啓林堂書店)
11:10-チームごとのワーク
12:40-チームごとの発表
13:00 解散

チームごとのワーク

「昨晩テレビを見ていたらコメを樹脂原料の代わりにする「ライスレジン」というのをやってました……」「「紙の温度」が出会った 世界の紙と日本の和紙という本がありましたよ。」

メンターの佐藤さんがこまめに事例紹介を行い、参加者たちを鼓舞するペーパルチーム。

この日、参加者たちは2つの企画を用意しました。

①奈良県が全国一位の生産量を誇るくつした。その繊維くずを活用した製品を考えます。

②kome-kamiを活用した製品を提案します。

口火を切ったのは、れいかさんです。

「くつしたの繊維くずで、奈良のお寺をめぐるためのご朱印帳をつくっては?わたしが調べた限りでは、SDGsに配慮したご朱印帳って見当たらないようなんです。」

「奈良県は清酒発祥の地。kome-kamiで日本酒のパッケージをつくってはどうでしょう?」

つづけて、つぼねさん。

「プラスチック資源循環促進法にもとづき、クリーニング店のハンガーを、お茶を入れた茶紙(ちゃがみ)製にしてはどうでしょう。消臭効果も期待できます。ちなみに、クリーニング業界プラハンガーの使用量は7,677tほどあって……」

つぼねさんの提案を受けて、メンターの佐藤さん。

「ボール紙のハンガーって、すでに商品化されているんです。可能性はありそうですね。」「アップサイクルペーパーには、ブランディングという側面もあります。もしかしたら、茶紙のハンガーは、宿泊施設と相性がよいかもしれませんね。」

なるほど、とつぼねさん。“茶紙ハンガー”の単価や販路を調べる価値がありそうです。

ここからは、つぼねさんと佐藤さんのやりとりが続きます。

つぼねさん

「最終発表のゴール設定を迷っています。顧客候補へのインタビューを行うことで仮説を深めていくのか、試作品づくりに力を入れるのか。」

佐藤さん

「矢田さんに『おもしろそう、試作してみたい』と思ってもらうことがゴールでは。顧客候補へのインタビューを行い、ニーズを伝えていくことがキモだと思います。」

つぼねさん

「顧客インタビューって、どうしたらよいのでしょう?経験がないので、イメージがわきにくくて」

佐藤さん

「知り合いへのインタビューで済ませがちですが、できればちゃんとしたいところ。顧客候補が集まりそうなイベントに参加して話を聞いてみる。サンプル数が一定以上必要な場合は、アンケート調査を行う業者に依頼してみる。」「ならわいでは、各チームに活動費があるので、活用してみてください。」

つぼねさん

「年齢や性別といった属性を決めた方がいいですか?」

佐藤さん

「いらないと思いますよ。昔は、20〜34歳の女性を『F1層』と位置づけてマーケティングを行いました。でも、それはもはや幻想かもしれません。属性よりも好きを優先しては。たとえば『服好き』『旅行好き』といったように。」

さらに佐藤さんは、こう続けます。

「環境配慮の取り組みって、最初は『やらないといけない』という義務からはじまります。でも、だんだんと世の中の流れが変わっていき、やがて『付加価値』になっていくと思うんですよ。」

ここで、おかむらさん。

「くつしたの繊維くずからもハンガーをつくれませんか?アップサイクルペーパーは、ストーリーも大事になる製品だと思います。くつしたの繊維くずをハンガーにすることで、衣類というキーワードがうまくつながります。」

この一言をきっかけに、やや前のめりな佐藤さん。

「ホテルに設置されている使い捨てスリッパを紙でつくることだって考えられそう。“はきもの”つながりということで。」

チームの道筋が見えてきたようです。

発表

「素材開発」と「既存商品の製品化」という2つのアイデアを同時に進めています。

「素材開発」では、くつしたの端材から“くつした紙”をつくります。ペーパルさんは、京都工芸繊維大学とのプロジェクトで試作したことがあるとのこと。くつしたの繊維が残るため、かなりの厚紙になるそう。その特性を活かした用途を考えます。

「既存商品の製品化」では、茶紙の消臭効果を期待した茶紙ハンガーを考えています。

発表を受けて、メンターからは意見が寄せられました。

「茶紙ハンガーにはどれくらい消臭効果はあるんだろう?」と気になりました。ニーズ調査も同時に進めてみては。宿泊施設で働くひとはもちろんのこと、ホテルによく泊まるエンドユーザーの意見も聞いてみたいところです。
くつした紙については、ロット数や単価も見えるとよさそうですね。比較的高級なホテルでの用途が適しているのか?それともクリーニング店のような場所が適しているのか。
方向性が2つに絞られてよかった、と思いました。その上で「奈良がくつしたの一大産地」という認知が全国ではどれくらい広まっているんだろう?採用する宿泊施設がかなり限られてしまうのでは。くつしたに限定する必然性をストーリーとして描けたらと思います。

チームからの答え

kome-kamiは、いろいろな用途に採用されています。くつした紙についても、まずは宿泊施設。その後は、アパレルメーカーさんでも採用いただけるように取り組んでいきたいです。

さまざまな質問や意見をふまえ、次回の中間発表に向けたスケジュールを打ち合わせて終了となります。

「次はもう、中間発表ですね。」「じゃあ、10/7、16にミーティングをしましょう。」「プレゼン資料ってどうつくったらいいの?ふだんの仕事で企画提案を行うことがなくって。」「ソフトって何をつかいます?パワポ?キーノート?」

不慣れな参加者たちを見て、メンターの佐藤さん。

「じゃあ、ぼくがGoogle Slidesでテンプレートを用意するから、みなさんで編集してください。」

新規事業をつくる上で意外とつまづきやすいのが、ミーティングの進め方や資料作成です。メンターのサポートを受けて、ならわいづくりは進んでいきます。

現地開催となる第4回目は、10/22です。

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