
「ならわいから」
2022年からはじまったならわい。2年間で18人が参加しました。参加者のその後を訪ねるコラム「ならわいから」。
VOL.2/みえこさん
第2回目は、みえこさん。
GWのお昼に、インタビューをしました。気ままに疑問をぶつけてみます。

奈良県出身、東京で長く過ごし、父の介護のため2023年奈良に移住。職業はデザイナー・キャリアコンサルタント他の複業家。ならわい2023にGood Job!センター香芝チームとして参加。
関わったプロジェクトは?
みえこさんは、ならわい2023にGood Job!センター香芝(GJC)チームとして、参加しましたね。どんな活動をしたのですか?
GJCは障害のある人とともに、新しい仕事や働き方に取り組んでいます。
テーマは「奈良のものづくり観光を、ここにいる人たちとつくる」。
参加者も、GJCのメンバーも、わたしたちも共に学び合える。そんな「学びのおすそ分けツアー」を企画しました。
今、どんな感じですか?
2023年11月にならわいが終わって5ヶ月が経ちますね。今、どんな感じですか?
5月にツアーが開かれます
ならわい終了後、センター長の森下静香さんから声をかけていただき、5月29日に「お蚕さんと過ごす体験ツアー」が開かれます。
ならわいのチームメンバーであるあいこさん、もりいさんと連携して準備を進めているところです。
参加を決めた理由は?
どうして、ならわいに参加したんですか?
将来の選択肢には、今の仕事を長く続ける、副業、複業、転職、起業。色々ありますね。
福祉を学ぶ入口はここなんだと思った
ならわいを知った2023年の春、わたしは東京で暮らしていました。キャリアコンサルタントとして活動をするなかで、多様性のある方々への支援という領域に惹かれました。「福祉を勉強してみたいな」と思いつつ、東京では入り口が見つからずにいたんですね。
そんなときにならわいを知って、GJCの記事を読みました。明るい印象があって「ここに行ってみたい」と思ったんです。それで、ならわいのオンライン説明会に参加すると、センター長の森下さんが柔らかくほほえんでいて。「わたしが福祉を学ぶ入り口はここなんだ!」と直感しました。
お金はどう考えた?
参加費や移動交通費は、どう考えましたか?
本気で一緒に取組めるメンバーと出会えそう
交通費は気になりませんでした。というのもわたし、ならわいに参加するタイミングで奈良移住が決まっていたんです。
参加費をきちんと集めていることは、ちゃんと学ばせていただく機会の裏返しだと思いました。参加者の本気度も高いんじゃないかと。
実際、真剣に情熱を燃やしているメンバーと出会えましたね。
知らない人と組むこと
ならわいは、3人1組のチームで動くプロジェクトです。
始まるまでは不安も
わたしはふだん一人で仕事をしています。チームで動くのは久しぶりだから、初日を迎えるまでは「どうやっていけばいいのかな」と不安もありました。
でも、ならわいが始まってからは役割分担をしながら、楽しく取り組んでいけたんです。
地元でもある奈良への造詣が深いもりいさん。わたしがGJCでのフィールドワークから得たことを、資料にまとめてくれるあいこさん。彼女はペースメーカーであり、プロジェクトマネージャーであり、何度も助けられました。
一緒に行動することで打ち解けた
ならわい初日は「はじまりのワーク」をつうじて、チームメンバー同士の共通点を探しました。メンバーがぐっと仲良くなれたのは、2日目のフィールドワークでした。
朝、JR奈良駅で待ち合わせて、GJCを訪ね、お昼を食べて、BONCHIでワークをする。丸一日一緒に行動することで、打ち解けましたね。
3人に共通していたのは「ならわいを実りあるものにしたい」という想いでした。お互いを知ろうと、前向きに関わり合えた気がします。
でも、いそがしくない?
最終回のゲストトークで、坂本大祐さんが「時間を使うことは価値」と話しました。
ならわいに興味を持ちつつも「毎日の仕事だけでバタバタだよ」という人もいるんじゃないかと。みえこさんは、自分の時間をどう使いましたか?
障がい福祉の分野を新たな仕事に
ならわいのプログラム中に、GJCへ9回通いました。自分の時間を、GJCにかけたのかな。
わたしはずっと「デザイン、キャリアコンサルティング、もう一つの仕事」という複業をしています。
ならわいに参加したのは、「もう一つの仕事」を見直していた時期でした。おかげでGJCに全力投球できたんです。
「ならわいが終了してからも福祉を学び続けたい」。その思いが強まるなかで、障がい福祉に関わる求人を見つけて。最終発表の前日である11/24にエントリーしたんです。
今は、週3日働いています。
奈良の位置付けは?
ならわいは、奈良に住んでいるメンバーのサポートも得ながら動けるプロジェクトです。
ならわいは、7ヶ月かけて上る階段のよう
ならわいって、長いプロジェクトです。活動期間は4ヶ月ですけど、応募期間も含めたら、7ヶ月ある。
7ヶ月かけて、応募、面談、チームワーク、フィールドワーク、企画、発表… 一段ずつ階段を上っていくんです。
「どんな階段を、誰と上るか」がいい感じに組まれてるんです。
運営にたずさわるみんな、奈良市産業政策課の柏木さんやBONCHIの章さん・久美子さんが骨を折りながら設計しているんだろうな。一段目が上りやすい。
そして二段目、三段目、四段目… 次の段へ進もうとするチームへ、メンターの安田さんが視点を与えてくれました。
行動して気づいたことは?
日々の仕事は、かならずしも「任されること」と「やりたいこと」が一致しません。プロジェクトに企画段階から関わるならわい。試せたことや気づきはありますか?
仕事をつくることは、自分をつくること
3回目にGJCを訪ねた時の話です。
カフェで仕事しているメンバーさんが目に留まりました。その人は、フロアじゅうを回遊していたんです。
その姿を見ていいなあ、と。「動いているのが彼のありのままの姿なんだ」と気がづきました。彼だけじゃない、ここは、誰もがありのままでいられる場所なんだ。わたしもありのままでいいんだ。
そう思ったら、リラックスできました。
GJCには「It’s ok. Because You are you.」のメッセージが満ちている。そのことが実感できたおかげで、ならわいの事業提案も見えてきました。
GJCに来て、わたしは人生の生き直しをしていると思います。
転職?起業?
ならわいに参加したことで、将来像は変わりましたか?
みえこさんのそばにいると、くつろげるね
やってよかったです、ならわい。
GJCは生活の一部、いや、人生の一部になっています。
参加したことで、人生の居場所が増えました。気づけたんですよね。人生に居場所はいっぱいあっていいことに。
今では、GJCの「畑部」にも参加しています。
車に乗り合わせて、GJCのみんなと畑へ向かう時間が大好き。土に触れて、種を蒔いて、風を感じて、水を飲むなかで、自分がほぐれていきます。
頭で考えることが大半を占めていたわたし。奈良での暮らしは、五感を大切にして生きていきたい。そう思います。
これからは、ともに過ごす人に「みえこさんのそばにいると、くつろげるね」と思ってもらえたらいいな。
このインタビューもいい時間になっていたら、うれしいです。
(2024/5/3 インタビュー 大越はじめ)